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残業時間の上限を60時間にしたところで持ち帰り残業が増えるから意味がないと思う件

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残業時間を制限して何か変わるの?

 

大手広告代理店で恒常化していた残業時間による見直しが検討されている中で思うのは

 

残業時間を制限して根本的に何か変わる?

 

 

ということ。

 

労働基準法は、一応下記内容を定めているんですね。

 

原則として

  • 1日8時間、かつ1週間で40時間を超えて労働してはならない
  • 1週間に1日あるいは4週で4日以上の休日が必要である

 

でもこれって今の法律でもガンガン無視している企業はあるわけじゃない?

 

だから残業上限を60時間に設定しても法律をすり抜けて違法残業する企業はし続けると思うんですよね。

 

亡くなった方には大変申し訳ないけど、今回の発端になったのが上場している大手企業だっただけ。

 

株式公開していない中小企業においては通常運転であり無法地帯でもあるわけで、何ら珍しいことではない。

 

新卒で入った会社は違法残業オンパレード

実際の経験でお話しすると、私が入社した会社は違法残業どころか労働基準法にひっかることばかりでした。

 

① 強制的にタイムカードを切られる(切らせられる)


定時の18時30分になると「タイムカード切れって!!」と声がかかる。

 

ちなみに会社を出るのは毎日22時30分〜23時くらい。定時で打刻されているから残業していないことになっている。

 

凄いのが「自発的に残っている」と外的に説明しているところがエグい。で、月22日間の勤務だったから80時間は常に超えている。

 

② 有給がそもそもない(とされていた)

まず有給処理をしてもらえない。「うち有給ないから、風邪で休んでも減給扱いだよ!」

 

(・・・え?苦笑)

 

③ テレアポは定時まで、定時以降に提案資料を揃えろ!!

会社の営業時間は10時〜18時30分で勤務時間もそれと同じ。なのに「提案資料は勤務時間外でやれ」としている。①に付随するけど勤務時間内にいかに効率化を図って作業するかがポイントだと思うんですが。

 

④ 連続勤務日数、驚異の22日間

繁忙期中の繁忙期だったけど、驚異の22日間。さすがにオーバーワークだってことで1日だけお休みもらったけど寝て終わった。

 

⑤ 死ね、うるせー、代わりはいるという暴言ラッシュ

これは、体育会系とされている企業であれば程度の差はあれ見受けられる発言内容だが・・・言っていいことと悪いことがある。その場の雰囲気もあるが、恐怖政治のように黙らせているような雰囲気はさすがにダメ。

 

ざっと挙げてみました。

「うちもそんなもんだよ〜」という人が多いだろうが、入社後に知った私にとっては耐え難い実態でした。

 

こんなもんですよ未上場企業の実態なんて。

 

というか列挙してみても、まじハンパねぇわ(笑)

 

残業80時間が上限とされていた理由

 そもそも現行のルールでは、残業80時間が上限とされています。

 

その理由は、人が働くにあたって「死」に至りやすいギリギリのラインとされているからです。

 

これは、どこのメディアでも取り上げられていますが過労死に至るリスクが高まるのは80時間を超えたあたり。

 

過労死に至るリスクが高まるのが80時間からと企業も理解している(はずな)のに、結果長時間残業が露呈してしまったんですね。

 

これを80時間→60時間に減らしたところで、「わかってるけど、それじゃ繁盛しないから残業していないことにしちゃえ」という行為を企業が止めるとは思えない。

 

36協定と締結して『繁忙期でどうしても残業しなければならない月がある』と従業員に説明をして制限内で残業させるとしたら、まぁ分かる。

 

が、恒常化している企業からしたら80時間→60時間になっても

 

会社
「もっと今よりバレないようにしなきゃね」

従業員
「ほわたぁーーーーー!!!」

 

が多くなるだけ。

  

残業60時間を上限にしても意味がない

残業上限60時間にしたところで残業が恒常化している企業はいつでもグレーゾーンを走っている。

 

勤務時間を強制的に変えられたりもその代表例。

 

そして会社で残業が事実上できなくなるとしたら、社員はどう動くのだろうか?

 

自宅に持ち帰ろう

 

 もしくは

 

会社でできないから家でやって?

 

・・・

 

・・・

 

・・・

 

イタチごっこです( ´Д`)y━・~~

 

だから残業時間の上限を60時間にしても、企業が根本的に変わらない限り意味がない。

 

経営者の考え方が変わらない限り残業時間の隠蔽は減らないし、恒常化している企業はいきなり『残業なしで!』となるわけがない。

 

従業員にとってもデメリット?

 残業代を目当てにしていた従業員側にもデメリットが発生しそうですね(笑)

 

これは文字のごとく残業代を生活の当てにしている場合は窮屈な制度です。

 

1時間あたり2,000円の給料だった人の場合、20時間×2,000円で40,000円も毎月差が発生します。(単純計算で月給320,000円前後の方)

 

月40,000円も差が出たら生活が厳しいものになるかもしれません。なぜなら、人は一度慣れた環境のレベルを下げることに抵抗感があるから。

 

解決するために

これは企業の努力と従業員との意識の共有ではありますが、クライアントとの締め切りがある場合は特に気をつけたいですね。

 

作業日数(時間)は変わらないのに勤務時間が減ってしまうのであれば、今までのやり方では到底間に合わないことが想定されます。

 

普段からタスクマネジメントと個々の能力を見定めて終わる範囲内で仕事を任せたり、協力して効率的に終わるようにしなければいけませんよ。

 

ただ、私は残業自体を否定しているわけではありません。

 

その日やらなければいけない仕事や作業があるならばその日に終わらせるべきだと感じている一人です。

 

仕事が残っているのに『定時なんで帰りま〜す』という輩には『やってから帰れ』と言いたい。

 

ワークライフバランスを掲げる一方で仕事が疎かになるのは本末転倒。

 

そのためにも経営者側と従業員側の両者が努力をすべきなんですよ、きっと。

 

経営者は、従業員が納得して残業できる配慮と環境を
従業員は、残業せずとも仕事をやり終える効率化と方法を

 

それぞれ考えて行動しなければ根本的な解決にはならないんじゃないでしょーか。

 

従業員にも何故残業しなければいけないのか、そして従業員も「それなら皆んなで協力してやりましょう!」という信頼関係をもってこそ雇用主と従業員の契約が成立するのであって、一方的なワガママはお互いに摩擦を生むだけです。

 

だってあくまで紙切れ一枚の契約なんですからWin-Winじゃなきゃそもそもオカシイ。

 

今後、同じような出来事が起こらないようにしていきたいし起こらないでほしいです。

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